当院のブログをお読み下さりありがとうございます。
本日は運動由来の貧血について少しお話させて頂きます。
激しい運動をする上で起きやすいのが、「希釈性貧血」と「運動性溶血性貧血」です。
●希釈性貧血
循環血漿量の増加により発生する「見かけ」の貧血をいいます。
運動を行うと、末端までの血流を促そうとして、血漿量を増やして血液の粘調度を下げようとします。
しかし、ヘモグロビンはすぐに増加しないため、ヘモグロビン濃度は低くなります。
一時的に貧血状態になる希釈性貧血は、対策をする必要性は特にないといわれています。
●運動性溶血性貧血
足裏への衝撃によって赤血球が壊れることで起こる貧血をいいます。
赤血球の寿命は、通常であれば120日ほどですが、脊髄で生成されることで常に一定に保たれています。
しかし、脊髄で生成される量を上回ると、血液中の赤血球が少なくなるため、貧血を起こします。
長距離の陸上競技・サッカー・バレーボール・バスケットボール・剣道など、足裏への衝撃が強い競技に多いとされています。
貧血は運動パフォーマンスに大きく影響します。
持久系の運動の場合はブドウ糖が不可欠であり、エネルギーを産生するには酸素が必要です。
全身への酸素の運搬はヘモグロビンが担うため、ヘモグロビンが多いほうがスタミナの維持につながります。
高強度なトレーニングを行う際には特に注意が必要です。